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老人コスメティックセラピー

美しく老いていきたいという女性の願いは永遠のものです。そんな願いに応えるため、私は、平成18年7月より、コスメティックセラピーを実施しているので、報告いたします。

女性にとって、お化粧は自信の回復、積極性の高まり、リラクゼーション、癒しなどさまざまな心理的効果をもたらすことが知られています。

地元、港区の特別養護老人ホーム、サンサン赤坂と六本木美容室の協力により、毎月1回行われる誕生日パーティの前にお化粧とネイルをすることにしました。

この施設では毎月誕生日を迎える女性の老齢者が4~8人ぐらいで、2人の美容師が対応するにはちょうどいい人数です。ちょうど施設の問診にきていた港区の神経科医も、驚かれました。今まで問いかけて反応しない老齢者が顔に化粧水をつけた瞬間から明らかな表情の変化を見せます。うつむき加減の顔を上げ、正面を向き、正気のなかった目は輝きを取り戻し、生き返ったように見えました。能面のような顔に表情が出て、口がもぞもぞ動き、口紅をなめるのです。不自由な手が動いています。

二人の美容師は老齢者のメイクという初めての経験にもかかわらず、常連のお客さんに接するがごとく手際よく、笑顔、笑顔で楽しそうに進めています。

メイクとネイルの終わった老齢者たちが施設内の仲間に囲まれ、きれい、きれいと大騒ぎになっています。その中で笑顔を取り戻した人もいますし、歩き回る人もいます。美容師も感動の眼差しで見ています。そして、感想を聞くと、化粧や口紅の匂いで昔に戻って、若い頃がよみがえってくるようだったと語っています。
この事業をこれからも続けていく予定です。

皆様のご協力に感謝いたします。

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